令和3年度以前知事記者会見

2019年3月12日(火)


知事発表:オリンピック開催500日前 モンゴル国大統領からのキャンプ地への国旗贈呈、サイクルスポーツの聖地づくりへの取組
知事発表:静岡県立看護専門学校助産学科の開設
幹事社質問:静岡市長選
幹事社質問:南海トラフ地震、駿河湾フェリー
幹事社質問:静岡市長選
幹事社質問:静岡市長選、復興庁の後続組織
記者質問:職員の自殺
記者質問:職員の自殺

知事発表:オリンピック開催500日前 モンゴル国大統領からのキャンプ地への国旗贈呈、サイクルスポーツの聖地づくりへの取組

(知事)

 今日はたくさんのお花ですね。スイセン、白と黄色ですね。ラッパスイセンですね。白とオレンジはスイートピー、ピンクはヒペリカム、それから菜の花の葉っぱ、それから葉はツバキ、白い枝がボケですね、黄色い枝、これがレンギョウということでございます。

オリンピック開催500日前 モンゴル国大統領からのキャンプ地への国旗贈呈

 さて、発表項目は三つでありますが、最初の発表項目はオリンピック絡みでございます。

 本日午後4時45分から、駐日モンゴル大使閣下をお迎えいたしまして、モンゴル国ナショナルチームが事前キャンプを行う島田市・焼津市・伊豆の国市の3市長へのモンゴル国旗贈呈式を開催いたします。

 バトトルガ大統領から、これまでのモンゴル国と本県との交流の実績が高く評価いただきまして、モンゴルチームがキャンプを行う、日本国内の中で特に、本県の3市にのみ国旗を贈呈したいという、ありがたい申し出がございまして、実施されることになります。

 この国旗には、大統領からの3市に対する感謝のメッセージ、ならびに大統領のサインが刺繍されていると伺っております。モンゴル国と静岡県との友情の証しともいえるナショナルフラッグ、国旗を寄贈していただけることに心から感謝を申し上げたいと存じます。

 本日3月12日は東京2020オリンピック・パラリンピック、この両方の開会式がそれぞれ来年の7月24日、また8月25日に行われますけれども、ちょうどオリンピック開会式から500日前ということでございまして、午前中には「オリンピック・パラリンピック自転車競技静岡県開催推進委員会総会」が開催され、市町や関係団体の方々と、大会の準備状況、今後の取り組み、課題を共有したところであります。

 また総会終了後、本館前で、開会までの日数を刻むディスプレイの点灯式を行いました。500日前の「500」の文字が画面に点灯されると同時に、県警の音楽隊の演奏が式典を盛り上げてくださいました。本日を契機に、大会への機運が醸成され、また期待が一層高まっていくものと実感したところであります。

 また午後3時半から、今日でございますが、今年6月に本県で開催する自転車ロードレース「2019年全日本自転車競技選手権大会」を運営する実行委員会の設立会議を開催いたします。

 その他、お手元の配布資料にございますように、3月、4月をオリンピック・パラリンピック500日前イベント期間といたしまして、市町、団体、企業等と連携して各種イベントを開催いたします。

 官民が一体となりまして機運の醸成を図っていくなど、大会の成功に向けて全県一丸となった取り組みを進めてまいります。引き続き関係者の皆さまのご協力をお願いするところであります。

サイクルスポーツの聖地づくりへの取組

 二つ目の発表項目は、サイクルスポーツの聖地づくりの取り組みについてであります。

 東京2020オリンピック・パラリンピック自転車競技の大会の成功に向けまして、万全の準備を進めているところでありますが、併せて、大会終了後のレガシーを残していくように、サイクルスポーツの聖地づくりも積極的に進めております。

 サイクルスポーツの聖地づくりは、オリンピック自転車競技の本県開催が平成27年12月に決定いたしまして、これを契機に翌平成28年度から取り組んでまいりました。サイクリストの受け入れ態勢が充実してまいりました。その状況をご紹介いたします。

 平成30年、昨年の3月に開設いたしましたウェブサイト「SHIZUOKA CYCLING」におきましては、県内のサイクリングコースが紹介されております。当初109コースから始まったのですが、このサイクリングコースは、市町、また地域の団体のご協力によりまして、現在142コースまで充実いたしました。

 また、サイクリング中に休憩、あるいは簡単なメンテナンスができるバイシクルピットの設置も進めております。平成27年度末には60カ所でございましたが、この3年間で383カ所、6倍以上になりました。

 また民間事業者による取り組みも進んでおりまして、スポーツタイプの電動アシスト付き自転車、いわゆる「e−BIKE」のレンタル台数は、今年度末には100台を超える見込みでございます。「これだけの台数がそろう地域は他にない」という声も頂いております。

 そのほか、矢羽根型路面表示の整備など、サイクリストの受け入れに向けた環境が年々充実しております。

 引き続き、官民協働で取り組みを推進いたしまして、サイクリストの憧れを呼ぶ聖地づくりに努めてまいります。




知事発表:静岡県立看護専門学校助産学科の開設

(知事)

 三つ目でありますが、静岡県立看護専門学校助産学科の開設に関わることであります。

 この4月1日から、県立東部看護専門学校は、名称を改めまして、東部という名称が落ちまして、県立看護専門学校として新しい出発を迎えます。新しい学校では、助産学科が開設されます。その施設が完成いたしまして、学生の受け入れ準備が整いました。来る4月5日に、助産学科の設置と校名変更を記念した式典を行う予定であります。

 助産学科では、充実したカリキュラムと実習による技術の体得を通して、女性の生涯に寄り添うことができる新時代の助産師を育成してまいります。

 うれしいニュースがございます。開設に当たり実施いたしました入学試験では、10名の定員に対し県内外から46名もの応募がありました。倍率は4.6倍ということでございます。成績優秀な10名が、4月から第1期生として学ぶことになるわけでありますが、助産師さんが少ないのにもかかわらず、36名落とすというのはもったいないことですね。

 それから看護師を目指す看護1学科、定員は80名ですが、応募者数は昨年は153名、今年は191名。増加いたしました。本校の存在感が高まっております。

 これも、191名が仮に受験されますと、111名が落ちることになりますが、こうした数字を、今日は健康福祉部の藤原部長代理が出席しています。このへん、どういうふうに案配なさる予定でしょうか。

(藤原健康福祉部長代理)

 健康福祉部の部長代理の藤原と申します。

 まず1点、助産師、東部看護専門学校に助産師学科の新設の方ですけれども、私どもの方も新しく学科を開設するに当たりまして、計画を立てました。需給状況を調べたところ、県内で平成26年度末現在ですけれども、常勤の助産師さんについては必要数が814、各病院を調査したところ814、それに対して従事している方が759ということで、55人不足という状況がございました。

 一方で、ではそれをどのように解消していくかということを考えましたところ、今後、新たに4月から3カ年のうちに、これを解消する方向に持っていって、需給が均衡するようにしようというふうに計画を立てました。

 われわれの県立看護専門学校定員10、あと静岡市さんの方でも清水に看護専門学校の助産師養成所をつくるということで、そちらも10、これが新たに20人増えるということで、力を合わせまして、県内で助産師さんが充足されるような状況をつくりだしていこうと思いました。

 今回募集したところ、大変多くの方が、46人の方が応募してくださって、まさになろうとする助産師さんの役割が昔のようなお産婆さんではありません。女性が出産後、高齢者になるまで、全て寄り添うという形に、今、変わってきております。やはりその必要性があるということでございます。

 計画を実行するときに、実際には実習、カリキュラムの中に、年度の後半にお産の現場に行って実習を、一人10例やらなければいけません。それが一定の時期に集中します。ということで実習病院、これの確保が実は一番問題でございまして、東部の市町さんにいろいろご助力お願いしまして、公立病院や公的病院、民間病院もありますけれども、そちらの方にお願いをしたところでございます。

 われわれ今、定数10ということで今年はまずはスタートするんですけれども、今後新しく、施設そのものはあと5人くらいは受け入れられるキャパシティはありますから、今後調整を進めまして、来年度以降、もう少し人数を多く受け入れて、涙をのむことがないように、今回駄目だった方、ぜひ来年も受けていただいて入っていただけたらと思っております。

 同じことは、看護師についても同じでございまして、志ある方をなるべく拾うように、今後市町、それから病院といろいろ調整をしていきたいと思っております。以上です。

(知事)

 これだけの応募があるのは、東大より高いんじゃないですか。競争率は。ですからせっかく応募してくださる方がいらっしゃるので、この志を受け入れるような形にぜひしていただきたいと思っております。

 4月5日、金曜日に、助産学科開設記念式典が挙行されますので、ぜひ報道の皆さまにもご来校いただきたいと存じます。

 私の発表項目は以上であります。




幹事社質問:静岡市長選

(幹事社)

 ありがとうございます。では各社さん発表事項について質問がある社はお願いします。

 各社さんよろしいでしょうか。そうしましたら幹事社質問に移らせていただきます。幹事社質問ですが、三つあります。まず一つ目が、静岡市長選に3人が立候補を表明しました。ほぼ構図が固まった中、あらためてどんな議論に期待したいか教えてください。二つ目、東日本大震災から8年が経過しました。南海トラフ地震の防災対応ガイドライン策定も含めて、県の防災をどう進めていきたいかを、お考えをお聞かせください。三つ目になります、一般社団法人を設立して運営を存続させる駿河湾フェリーですが、議会の答弁で難波副知事や6市町の副市長、副町長を理事とすることが明らかにされました。ほかに民間企業など、外部の人を理事にすることはあるかなど、具体的な体制についてお聞かせください。以上、三つになります。

(知事)

 はい、どうもありがとうございました。まず最初のご質問ですけれども、静岡市長選を巡るご質問でございます。ついこの間まで、無投票になるかということで案じておりました。政令指定都市20ある中で、人口70万を切った、たった一つの市で、人口問題極めて深刻でありまして、また面積が大きいだけに静岡市の市政というものに対して、市民の方たちまた県民の方たち含めて、いろんな論戦が交わされるということが望ましいと思っておりましたので、今回選挙になるということを歓迎しているところであります。

 政治家にもいろんなタイプがあると思うんですけれども、仮に基準を設けています。上にへつらわず、下に威張らずと。これは静岡県の公務員八箇条の第三箇条に出てくるものなんですけれども、世の中の政治家を見渡されると、権力におもねるタイプ、あるいは経済界、財界の実力者に擦り寄るタイプのような政治家がいますね。一方、大衆とか市民の立場に立って、それと共に歩むというタイプがあるかと思いますけれども、今回遇遇(ぐうぐう)、こういう二つのタイプの候補者が争うということになったのではないかと思っております。それから政治手法ということにつきましては、例えば桜ヶ丘病院というのは、想定津波浸水域に移すということで、市民の方々、また県を挙げて反対しているわけですけれども、これは市長の政治判断で決まったことですね。この政治判断というものをリーダーシップというふうに見るか、あるいは横暴と見るかというようなところも問われるのではないかと思います。

 それから、今回、元市長さんと現市長さんということで、当然実績というのがそれぞれあるわけですね。ですから、その方がどういうことしようとしているかということは、今までしようとしてきたことを、どのぐらい実現してきたかということにあると思います。元市長さんの方は、例えば大道芸、あるいは音楽館AOIをお造りになった。あるいはルノワール、あの彫刻を駅の南側に設置されて、あるいはアイセル21を造られたり、4年ちょっとの間にかなりのことをされたということがあると思いますが、現市長の実績は挙げるのは難しいと思います。ですから、これからの構想というのがありますが、その構想は五大構想と名付けられて、清水庁舎、海洋文化施設、歴史文化施設、市民文化会館、こういう公共施設の整備計画が打ち出されております。その優先順位が出されているわけではありません。ですから、こうした構想は、実現するためには工程表もいりますし、財源の裏付けも必要だというふうに思います。こうした点も、論点になるのではないかというふうに思いますね。

 それから、清水区につきましては、何しろにぎわいの空間であるべき所が、今閉塞感がございますので、こうしたものをどう打破するかということで、県市一体になってやらなくてはいけないということでございますが、県市一体になりやすい候補者を選ぶということも判断基準になるのではないかというふうに思います。ともあれ、県と静岡市でございますので、その市政を担うにふさわしい代表者が選ばれることを期待したいと思います。




幹事社質問:南海トラフ地震、駿河湾フェリー

(知事)

南海トラフ地震

 二つ目のご質問でございますが、南海トラフ地震絡みでの県の防災対策ならびにガイドラインに関してでございますけれども、本県は東日本大震災の教訓から、地震・津波対策アクションプログラム2013を策定いたしまして、想定犠牲者の8割減を目標として、ハード、ソフト両面にわたる対策に取り組んでいるところであります。耐震化の推進、防潮堤、津波避難施設の整備、防災訓練の実施などにより、昨年度末時点で想定犠牲者数は約4割減少という減災効果が現れております。ところが、大学教授でこの方面の専門家でありながら、2013年当時の数字を犠牲者数として堂々と語っているようなことがありまして、けしからんことだと思っております。

 先ほどの件、具体的に申し上げますと、2013年度段階で犠牲者数は約10万5千人と想定されておりました。これは国の想定でもあり、また県もチェックしましたところ、この想定というのを受け入れまして、そして2017年度末、言い換えると2018年の3月の時点で想定犠牲者数は約6万5800人、すなわち約4万人減っているわけですね。これが現実の数字です。こうした数字が減るためには、県民の皆さま方からいただいている公金を、きちっと防災対策に充てているからでもありますね。ですから、不用意に2013年といって今2019年、6年前ですね、それの数字を出して皆さま方に不安を与えるようなことがあってはならないというふうに思っているところであります。ぜひ、こうした毎年毎年の減災効果、防災効果と、あと想定犠牲者数、変わってきておりますので、こうしたものに、ぜひジャーナリストの皆さま方は注視していただいて、正確な情報が皆さま方に共有せられるようにお願いしたいというふうに思います。来年度は、私ども新たに地震津波減災交付金を創設いたしまして、津波による犠牲者防止などの市町の取り組みを重点的に支援することとしております。

 また、被災地支援を通じて、被災地の迅速な復旧、復興のためには、避難所の運営や住居ですね、これの被害認定調査など、被災者の生活再建支援が極めて重要であることを学ばせていただきました。熊本あるいはもちろん東日本等々から学んだことでありますが、このため、これらの担い手となる人材の育成を市町と連携して推進することといたします。引き続き防災、減災を本県の重要課題に位置付けて、全庁を挙げ積極的かつ着実に地震津波対策は進めてまいります。ガイドラインにつきましては、南海トラフ地震の新たな防災対応につきましては、現在国においてガイドラインの案が検討されているところです。本県といたしましては、モデル県として認定されておりますので、本県の地域特性、また防災先進性ということを踏まえ、実効性の高い独自のガイドラインを来年度中に策定いたします。そして、県民や企業の皆さまがご自身の防災対応を的確に実行できるように、各地域での出前講座、シンポジウム等々を開催いたしまして、丁重な周知を行うこととしております。ちなみに、今日は3月12日、昨日は3月11日、8年前の午後2時46分から丸8年がたって、今日は間もなく丸8年と1日ということになりますけれども、昨日、政府主催の東日本大震災八周年追悼式に出席いたしました。このところ、知事さん1人、2人ということで、私は常にその1人に入っているわけですが、昨日は東京都知事、小池知事以外に全部、東京の事務所の所長さんが代理で来るという、風化を感じさせるようなことがこの数年起こっておりまして、残念に思っております。

 私は遇遇(ぐうぐう)昨年の夏に東日本大震災復興協力本部長として、全国知事会からのご依頼を受けて東北の被災地訪問もしてまいりました。そうしますと、帰還困難地域というのがありまして、その大半は、もちろんこれは福島の大熊町とか双葉町という所でございますけれども、そこは地面が剝がされて、別の所で汚染された土壌をビニールに入れてずっと積んでいるわけです。「これもう果たして帰還できるのかな」というふうに強く実感いたしました。それで、この報告をする機会を得ましたので、全国知事会では、私はこの方たち、今ご存命中に本当にこの福島第一原発のすぐ近くにおいて帰れるかどうかと、その方たちの数は相当数です。特に、福島県がこの5万数千人のうち、8割ぐらい占めていると思いますけれども。ですから、仮設住宅というか、住宅を準備したとかいうことで、何となく8年前に比べて復興が進んでいるかのごとく、もちろん復興は進んでいるんですけれども、一番困っている人のところにまでそれが届いているかどうかということです。それを踏まえますと、来年のオリ・パラを迎えまして、これも復興五輪ということをなお打って、多分そのことが一つ大きな力となって東京が選ばれたのではないかというふうに思っておりますけれども、

 私は国会議員の先生方がこの20年ほど前に、首都機能を移すということを全会一致、衆参両院でお決めになって、法律で国会等移転審議会を設置なさって、そこが10年かけて新しい首都機能の第一候補地として那須野が原に移すべしという報告を出したわけですね。これはもう20年近く前のことです。それ以降、衆議院特別委員会で、これは全く決められないということを3年かけて決めて放置されているわけです。ですから、私はこの際思い切って、新しい日本の顔、これが首都ですから、西京、京都と東京があるので、ちょうどその北にありますから、北都とでも名付けてそこに首都機能を移す。そして、そこに新しい日本の顔をつくると。そのときに一緒に、帰れない人は国の顔を一緒につくっていきませんかと言えば、福島の西南に当たる所ですね。そう遠くありません、県境ですから那須野が原というのは。栃木県と福島県の県境です。ですから、そういうことをすれば希望が持てるじゃないかということを申し上げましたけれども、それに賛同する人も反対する人もいないということで、皆さん本気で考えてほしいなというのを痛感しているところであります。いつそれがわが身になるとも限らないということでございまして、何か本当に絶望している人たちに夢を、希望を与えるような施策が今求められているのではないかと思っております。

 4月14日、16日ですかね、熊本で今年は3回目になると思いますけれども、慰霊祭に行きますけれども、前回も前々回も結局私一人ですから。近隣の知事さんも慰霊に行かれないというふうなことなので、こういう災害の風化というのは極めて深刻なことではないかというふうに思っております。静岡県ではそういうことがないように努めてまいりたいと思っております。

駿河湾フェリー

 三つ目のご質問でございますけれども、駿河湾フェリーに関することであります。この駿河湾フェリーは、地域に大きな経済効果、21億円と言われておりますけれども、年間ですね。重要な社会的資本です。ですから、この運航を継続するために、県と、先ほど言われましたとおり、3市3町が共同して社員となる一般社団法人を、この4月1日に設立いたします。この法人の理事につきましては、難波副知事、また3市3町の副市長さん、副町長さんに加えまして、静岡地域、伊豆地域の民間企業からもご就任いただくことを検討しておりまして、関係者と調整を進めているところであります。この法人の体制につきましては、事務局に県からは2名、3市3町を代表して静岡市から1名の職員を派遣していただいて、管理、企画業務を行うということになっております。

 今月の25日に法人の設立準備会を開催いたします。そこで法人の名称、また就任する理事、理事長など詳細を決定いたしまして、その後の会見で難波副知事ほか理事の方から、概要を皆さま方にお伝えするという段取りになっております。

 質問についてのお答えは以上であります。




幹事社質問:静岡市長選

(幹事社)

 ありがとうございます。1点質問させてください。選挙について知事はノーサイドとお話しされている中かと思いますが、先ほど県市一体でやりやすい人が選ばれるのではないかというご発言ですとか、大衆、市民の立場に立って歩むタイプなど、2タイプの候補者が出てきたというお話がありましたけれども、それぞれの候補者にどのような印象なのかなど、もう少し具体的にお伺いできれば。

(知事)

 私は先ほど一般論を申し上げたわけです。県市一体でできる方が当選した方が望ましいとは思っています。

(幹事社)

 あくまで、それぞれの候補者にというわけではなくて、一般論。

(知事)

 一般論として申し上げております。

(幹事社)

 分かりました。その他、各社さん幹事社質問について質問がある社はお願いします。

(記者)

 先ほどの静岡市長選の関係でお尋ねします。先ほど、知事が二つのタイプの候補者が争うことになったとお話をされました。権力におもねる、経済界の実力者に擦り寄るタイプというのが現職市長のことを指しておっしゃっているのかと思うんですけれども、それは具体的にどういったところが権力におもねることにつながっているのかというのは、それはどういうお考えでしょうか。

(知事)

 選挙に関わることは、これ以上申し上げるとノーサイドと言っていることともとりますので、一般論として申し上げたと。世の中には、強い権力者におもねる方がたくさんいるでしょう。国会議員にもいますね。県議会議員にもいらっしゃるし、市議会議員にもいらっしゃる。もちろん市長や町長にもいらっしゃるということであります。

(記者)

 具体的にそのタイプというのは、それぞれの候補について言ったつもりではないと。

(知事)

 私は公務員、公僕として心得るべき八箇条というものをだいぶ前に制定いたしまして、いわゆる身に私を構えずというところから始まり、うそ偽りを言わない、三つ目に上にへつらわず下に威張らないということを。その上にへつらわず、下に威張らずということをベースにした場合、へつらう、おもねるような人もいらっしゃるし、自分は常に主権在民ですからね、県民市民あるいは国民の立場に立ってやるんだという人もいるのではないですか。こういうタイプとして分けられるだろうというふうに申し上げた次第です。

(記者)

 市長選において、天野進吾県議の方が市長選立候補の際に、日本平へのカジノ誘致、IR誘致についてそれも市民に訴えていくとお話をされていますが、日本平へのカジノ誘致については、これも市長選で争われる争点になるべきだとお考えでしょうか。

(知事)

 あの時点ではそう言われたんですけれども、朝に決めたとおっしゃっていましたからね。ですから、市政の運営につきまして、柱立てをされているかと思いますけれども、カジノに関してはその後おっしゃっていませんね。ですから、夢を語ってらっしゃいます。私は必要なものは点を線に変えることだと思っております。すなわち、日本平、大変に日本平夢テラスが人気であります。もうすでに50万を超えてますのでね。ですから、危険を防止するためにも、もし何かあったときにすぐ助けられるためにも、今のアクセス状況では具合が悪いと思っております。従って、ロープウェイなりモノレールなり、清水側から、清水側からというのはクルーズ船もありますからね、多くの外国人もいらっしゃるということも踏まえてのことですけれども、まだ場所も、候補がだいぶ前に挙がっております。私自身も見てまいりました。そういう所から、日本平のロープウェイの所に接続できるような、一応技術的なことは可能なわけですね。これを進めていくようなことこそ、まず第一にできることではないかというふうに思っております。ここをすることが先決で、またIR法によればまだまだかかりますよ。向こう4年間の間にそんなものが実現できるような工程表は、描くことができません。ですから、向こう4年間のことを考えると、どうするかということを、今それぞれ候補者は考えているのではないかと。もっとも、考えていない方もいらっしゃいますけれどね。

(記者)

 最後にもう1点お伺いします。そのIR誘致の関係で、2月議会の方で知事は天野進吾県議の質問に対して、誘致に向けて市が主体的に取り組む覚悟が問われるという答弁をされました。以前知事は、日本平にカジノは似合わないというお話をされていましたが、その日本平にカジノは似合わないという考えは変わったのか、現在でもそれは続いているのか、それをお伺いします。

(知事)

 私は、カジノは似合わないと思っています。ただにぎわいの空間をどうつくるかという、そのうちの手法の一つとして提起されているわけですね。ですから、日本平という極めて、観光地といいますか名勝として、日本有数の中に入ると、ここをどうするかということは市政、あるいは県政をあずかるものとしては考えなくてはならない課題だというふうに思っております。差し当たって、県と市が両方土地を持っていた所だったので、きちっと手続きを踏みまして、すなわち構想を立ち上げる、それからまたその構想に基づいて基本計画を作る、そしてまたコンペをして設計者を選ぶという、そういうことをして夢テラスができたわけですね。それでもやはり数年かかっているわけです。ですから、それなりの準備をするのにかかる。そして今、あれが成功している結果、新しい課題が出てきています。そこをどうするかということの方が現実的だというふうに思いますね。ともあれ、全体として日本平をどのように市民、県民または国を含めてですけれども、この地域の場の力、可能性を引き出すかということは政策として出されるのが望ましいのではないかと思っております。できたことを、県市一体でできてよかったねと言っているだけでは前に進まないということです。




幹事社質問:静岡市長選、復興庁の後続組織

(記者)

 静岡市長選に絡んで、1点伺います。

 先日、県の方から、静岡市が今、県庁の隣接で建設計画があります歴史文化施設について、改めて見直すようにというか、棚上げするようにというような意見を提出されましたけれども、この点に関しても、静岡市長選の中で議論されるべきだとお考えでしょうか。

(知事)

 これは五大構想の中に入っていますからね。ですから今、埋蔵の調査をしていますね。そして、中村一氏の建てたと見られる、そういう遺構も見つかったということです。

 そもそも、じゃあこの遺構を含めてどうするかと。天守閣を建てるのかどうか。建てれば、それ自体が歴史博物館的機能を持ちます。そうするとこれは要るのかどうかということを議論しなくちゃいけないということですね。

 しかも、歴史博物館を造るということについての手続きが、オープンにされているのかどうかと。歴史博物館を造らねばならないという、そういう願いが市民・県民の間に強いということは知っておりますけれども、それをどこに造るかということは、突然出てきたという話なので、もう一度踏みとどまって考えた方がいいということですね。大変に大きなお金もかかるし、いったん出来上がってしまうと、景観も、場合によっては天守閣ができた場合の景観を阻害するということもありますから。

 ちょうどそれは、三保松原に、あそこは世界文化遺産の構成資産になったと。掘っ立て小屋作ったじゃないですか。3千万かかった。それつぶしたでしょ。これ二重投資ですね。今新しいものができていますけれど。だから中長期的に考えて、どういうものを造るのかとしないと、税金の無駄遣いになりかねないということがあります。

 ですからみんなの意向がここに反映されて、みんなによってことほがれるようなものを造らないといけないというふうに私は思っておりまして、歴史博物館の件につきましては、突然降って湧いたような所で、しかも隣ですからね。県知事室の目の前ですよ。普通ならば、向こう三軒両隣で、隣で何かやられるときには、私が仮に何かするときには、必ずごあいさつに行きますよ。ご迷惑かけますけど、どうぞよろしくと。いきなりクスノキを切られたりして、びっくりして飛んで行ったくらいですから。何もかも突然というところがあって、これはいわゆるリーダーシップというのか、横暴というのかというところは問われると思いますよ。

【復興庁の後続組織】

(記者)

 先ほど防災の話がありましたが、復興庁が2020年度末に設置期限を迎えます。後続組織のあり方として、与党内では防災業務と統合案なども出ていますが、防災先進県として、後続組織としてどのようなものが望ましいと考えますでしょうか。

(知事)

 まずは東日本大震災の復興を、現場を見られれば分かりますけども、また道遠しということなので、8年間でということだったようですけど、最初に決めてそこまでに一応復興のめどが立つということだったようですけども、現場を見た限りでは極めて厳しいと思っておりますので、今どういうふうにすれば東日本、東日本の中の福島を中心とした宮城、岩手ですね、ここが喜ばれるというか、それには相当まだ復旧復興の必要性が高いというのが私の実感です。ですから、存続するのが望ましいというのが実感です。

静岡市長選

(記者)

 静岡市の歴史文化施設の話についてお伺いしたいんですけれども、歴史文化施設を青葉小学校の跡地に建てるという計画は、2005年頃に田辺市長ではなくて、小嶋善吉前市長のときに表明された計画だと思います。その後にパブリックコメントや有識者の検討委員会、あと設計者を決める際には市民に公開してのプロポーザル審査などを実施されています。知事は先ほど突然出てきた話でびっくりしたとおっしゃっていましたが、この15年ほどの間、県は市の計画を知らなかったというような理解でいいのでしょうか、教えてください。

(知事)

 パブリックコメントを含め、模型も含めて一応公開されているということのようですけど、一応という、私は強い形容詞を付したいと思います。

(記者)

 要するに、市から直接県の方に報告や相談がなかったから突然という表現をされているということですか。

(知事)

 その頃、もう一つ問題がありました。それは駿府城を再建するかどうかという論点がありまして、小嶋市長は駿府城は再建できないと。なぜかというと詳細な設計図がないからだと、指図がないからだということだったんです。しかしながら、これは私も含めて、駿府城を再建するかどうかも含めて、まずはどういうものが埋まっているのかどうか見なくてはいけないということで、強く現市長さんに掘るようにということを勧めた経緯があります。当初は小嶋さんの考えを踏襲されて造れないと、造らないということだったんですが、かなり市民の方で強く、ぜひ掘っていただきたいと、これはもちろん前史がありまして、小和田先生が、駿府城公園の中に県立美術館を造るという計画があったときに、一部掘られたらそこに遺構が見つかったと。今川の遺構だと分かったということがあって、それを本にも書かれてますので。ですからこれを掘ってどうするかというのが今の課題となっているわけですね。ですから小嶋さんのときに決まったからうんぬんというのではなくて、駿府城の遺構を掘った。じゃあこれをどのように生かすかということを考えるときではないかと、そういう意味でのパブリックコメントはなかったのではないでしょうか。

 ですから、私どもが申し上げてきたのは、歴史博物館を造るのは良いと。しかし遺構が見つかり、そしてまたさらに中村一氏が建てたとみられるこの豊臣時代の遺構も見つかったと。これを踏まえてどうするかということを考えるべきときではないかと。それを一貫して申し上げておりました。そうしたものは既定路線で決まっているのでということで、相手にされないということですね。




記者質問:職員の自殺

(記者)

 本日の弊社の紙面でもご紹介したんですけども、2月の上旬に県の職員の方が自ら命を絶たれたという事案があったと思います。それについてご遺族とすれば、県に情報公開を求めているわけですが、それについては文書で誠心誠意回答するというような回答があったようですけども、あらためて知事としてどういうふうな方針で臨まれるか教えてください。

(知事)

 ともかく職員の方が自殺をするということはあってはならないし、大変痛ましいことですね。それがパワーハラスメントによって命を絶つということは、決してあってはならないということであります。ともあれ一人の命が失われたということで、残された遺族の方の悲しみや痛みは癒えるものではないと思いますね。どうしたらいいかということだったんですけど、ともかく知事の考えを聞きたいということだったんです。それならお目にかかるのも、約束を取り付けるのも大変なので、取りあえず私の考えはこういうものですと。それと、特定の自殺の経緯について、ともかくきちっと調べてくださいと。パワハラによったのか、よったとすればこれは大問題です。だからここは、今人事の方で、八木君はいますか。今のこの件についてご報告いただけるでしょうか。

(八木行政経営局長)

 行政経営局長の八木でございます。今この案件につきましては、パワーハラスメントという話もございましたので、その有無も含めまして、お亡くなりになる前の状況がどういう状況だったのかということを、幅広く聞き取り調査を関係者からしておるところでございます。現在50人以上、その所属も含めまして仕事で関係する者も含めまして聞き取りをし終わったところでございまして、結果を取りまとめているところでございます。結果を取りまとめた後はこれを丁寧に分析をさせていただきまして、ご遺族にもきちんと担当の部から報告をさせていただく予定でございます。以上です。

(記者)

 何か調査委員会とかまでは立ち上げて、そういうふうな理解、そこまでやっていないということですかね。

(八木行政経営局長)

 現状何があったのかと、どんな状況だったのかというところを確認をしているところなものですから、現在は状況を確認して、それを取りまとめて報告させていただくということでございます。

(記者)

 この件で関連して質問なんですけども、知事は1月に別の職員の件を公表されて以降、パワハラのない職場づくりというのを呼び掛けていらっしゃったと思うんですが、その最中でもう一事案あったということで、それに対する受け止めはどのように思ってらっしゃいますか。

(知事)

 ショックです。

(記者)

 今後、あらためてどういうふうに対応されていかれるおつもりでしょうか。

(知事)

 その事案を含めまして、県庁の職員の皆さま方、なかんずくこういうところに座っている方たち、それぞれ部下をお持ちですから、まず言葉遣いから改めましょうと。一人ひとり人格ですから、責任の重さは違うと。年齢も違うと。しかしそれぞれ職分を持ってやっていますから、ですます調ということから始めましょうと。それは僕自身の経験からよるものです。最初こちらに来まして、ある特定の部長さんが、私に対する言葉遣いと部下に対する言葉遣いが、同じ人かと思うほど違っていたので、そのことを直接申し上げましたけども。こうしたことがやっぱり部下といいますか、若い青年たちにとっては傷になる場合があります。そういうことがないように注意しなくてはいけない、そういうところから始めましょうと。それと話しやすい職場づくりですね、職場のレイアウトを考えるところも一部出てきていますけども、一人が全部背負っちゃって、一人で苦しみ抜くということがないような環境づくりというようなことの工夫もしておりまして、県庁の中で一番入りにくいというのは知事室ではないかと思いますけども、それは来てみたら分かりますけども、記者さん来たことがありますか。来てみてください。記者さん来たことがありますよね。どうなってます、常にオープンです。ですから秘密の話はしないという、そういうオープンなというのはレイアウトや形でもできるんですよ。

 ですから人をいじめるとかパワハラで叱るとか、これは明るくやれば良いですよ、間違ったことに対して黙っているのは良くないので。しかし本人が傷つくことがあってはならない、ましてや家族がいるにもかかわらず命を絶つようなことは、これは金輪際あってはならないと強く思っておりまして、不十分かもしれませんけども、まず言葉遣い、レイアウト含めて風通しの良い職場づくりをしていこうというふうに思っております。




記者質問:職員の自殺

(記者)

 もう1点、知事がご遺族に、知事が自ら文書を出されたというような話もありましたけれども、そのあたりの経緯、どういったお気持ちで出されたのかあらためてお伺いします。

(知事)

 ご遺族の方から知事の考えを聞きたいという話を承りまして、事務局を通じて聞いたんですけども、すぐに手紙をしたためましてお出ししたということでございます。

(記者)

 どういった内容だったか少し教えていただけますか。

(知事)

 いつも言っていることそのままです。もちろん亡くされた悲しみに対して心から哀悼の意を表するとともに、われわれとしても戦力の一つを失ったわけですから、それ非常につらいですよ。ですから二度とこういうことがないようにということを、先ほど言いましたことを、常に言っていることをそのまま文書にしまして渡したということです。私は字が汚いので、一応こういう活字にしまして、自らサインをしまして渡したということです。これは特段隠すようなことではないですが、公表するものでもないかもしれませんね、個人に宛てたものですから。特段別にここで言っていないことを言っているわけではありません。

(記者)

 この関連で教えてください。知事がおっしゃるように、確かに言葉遣いをですます調にするというのは、一つパワハラを防ぐという意味では大事なことだと思いますけども、さっき知事もおっしゃっていましたが、不十分というかそういうことで良いのかなという気持ちが少しあります。先ほど知事も言葉遣いからとおっしゃっていましたので、もしその次の対策について何か考えていることがあれば教えてください。

(知事)

 そうですね、課長さんがあるいは班長さんがいて、その下にというとそれが見張られている形で、テレビであるようにそういうレイアウトそれが普通でしょ。どこの部局だったかどこ座っても良いというふうにしたのではなかったでしたっけ、こうしたのも雰囲気も全く変わりますからね、机の位置変えただけで、ベッドの位置変えただけで部屋の雰囲気変わるでしょ。どうでしょうか。そういうことがありますので、雰囲気を従来の形式張った、かしこまった、自分が偉いところに座っているというのを隠すというとおかしいですけども、あまり目立たせないような。できる箇所とできない箇所があります、やっぱり。それをできる箇所からやっていくということで、今何箇所くらいやっていますか、レイアウト変えたというやつ、見に行ったでしょ私。地域振興局と行政経営課でやっていまして、いつやったんですか。この秋からやってみておりますが、これも職場の雰囲気をよくする方法の一つであります。

(記者)

 あともう一点お願いします。このようなことがあった際にご遺族に対するケアについてはどのようにお考えでしょうか。

(知事)

 難しいですね、どういう経緯で命を絶たれたかということが分かっている場合と分かっていない場合がありますね。そして県としては、パワハラだとかその他いじめで、職場が原因で生きていけない、仕事していけないということであれば、これは県の責任ということですね。ですけど、どんな事情で自殺するという実態になるか分かりませんからね。そうしたパーソナルといったところに公的なものが入っていって、いろいろ聞くっていうのもなかなか辛いものがありますから、ですから今慎重にというとおかしいですけども、ご遺族のお気持ちを察しながらわれわれの分かる範囲のところを正確に把握すると。もし何か落ち度があれば、これは謝らなければならないし改めなければならないと、こういうことですね。いわゆるこれマニュアルはできないと思います。お一人お一人それぞれ自らの一つ一回きりの人生生きられているわけですから、ですから自殺はあってはならないってことが前提ですけど、職場による、職場環境による自殺ということは、もうぜひなくしたいというふうに強く思っております。